P33 Ashのこと "母と妻と女の狭間で"

P33 Ash(アッシュ)のこと ”母と妻と女の狭間(はざま)で・・・” 留学時代・出会い青春編

キイロイトリb

 それと同時に、ミキちゃんに少し嫉妬した
自分に気がついた。

〈もしかしたらあさひのこと好きになり始めてるのかも〉

 でも、実際彼のことは何も知らないし、
第一印象は最悪で、とても好きなんて感情は
持てなかったのも事実だし、それが好きって気持ちに
結びつくなんて考えもし無かった。

 ただ、確かなのは、彼のことが

〈とにかく気になる〉

それだけだった。

 
 そんな私の心の葛藤をよそに、
ミキちゃんは、そのまま話を続けた。

「そしたら、Ash が
『少し話し、聞いてもらっていいですか?』
って、言ったのよ」

 「それから、ベンチに座って30分位
話したかな?
Ash は4月に来て男子寮の受け入れ準備
が出来るまで、いきなり女子寮に一週間
入ってたんだって。

 それも、理由は

『ゲストルームが女子寮にしかないから』

だって。

 女子寮は、男子も平気で出入りしてたから、
それ自体はそんなに焦らなかったけど、
ランドリールームで洗濯中に、いきなり注意
されたのが、『前の人の選択が終わったら、
洗い終わったものを次の人が出して、
洗濯機の上に置いとくの!』って事
だったんだって。

 でも、女の子の洗濯物だし、普通はありえ
ないでしょ?
 でも、1回注意されたから、次はそうやって
洗濯物カゴに入れてたら、ちょうどその時に
持ち主が来て一言、『サンキュー』って
言って持ってったんだって。

 その中には、ブラやパンツがあったけど、
そんなのお構いなし。

 そのことに面食らったとか、
朝シャワーを浴びる時、気を使って、
みんなが起きそうもない、朝5時に
起きて浴びてたら、いきなり隣に女の子が来て、
シャワーを浴び始めて、めっちゃ焦ったら、
『シャンプー貸して』ッて言われて、手が
シャワーカーテンに入って来たんだって。

 びっくりして思わず『OK!』って答えちゃって、
渡しながら、

《強制送還だ!》

って覚悟を決めたら、何事もなかったように
『サンキュー』ってシャンプーを返してきて、
体中の力が抜けたんだって」

〈うわ~、そんなことがあるんだ!〉

私は素直に驚いてた。
 
 その後もミキちゃんは Ash と何を話したか、
内容を簡単に教えてくれた。

 実家は東京で、高校を出て三鷹の英語専門学校に
1年間通ってから、そこの先生の紹介でここに来たこと。

 高校から4年間付き合ってて、お互いに結婚する
つもりだった彼女に『アメリカへ行く』って言ったら、
『そこまで待てない』って振られて来たこと。
 
 ミュージシャンか車のレーサーになりたいが、
そのためにはまずは〈英語がしゃべれないと〉と思って、
ここに来たこと。

 ここではとりあえず哲学か心理学を勉強したい事。

 「そんなことを、英語で話してくれたのよ」

image©“キイロイトリ”

written by 透明[とうめい] ゆき

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12月 28th, 2015 by