P56 酔えなかったよ "母と妻と女の狭間で"

P56 酔えなかったよ ”母と妻と女の狭間で”

寂しい

 私は、その場からすぐに走って、確かめに行きたい
衝動にかられたけど、なんとか気持ちを落ち着かせ、
今は、ここで楽しむことにした。

 それから、しばらく飲んで、騒いでいたけど、
いくら飲んでも、酔えないで、つねに頭の中では、
晴美とあさひが手をつな位で歩いている姿が、
真っ白なスクリーンに映り出されていた。

 一時間くらい経った頃、寧子が

「お酒無くなったから、買い出しに行くけど、
一緒に行く?」

 って、聞いてきた。
たぶん、いつまでも様子がおかしい私に
気を使ったんだろう。

 その気持は嬉しかったけど、もしも
本当に2人が手を繋いでる場面を見てしまったら、
もうここにはいられない気がして、断った。

「ううん平気。気をつけてね」

 寧子は、ちらっと心配そうな表情を見せたけど、
「そう、わかった」とだけ言い残して、すぐに
出て行った。

 私は、晴美が本当のことを言わなかった事と、
あさひが、日本人とでも、気軽に食事に行った事が、
ショックだった。

 もちろん、ここには勉強に来たんだから、
あさひと付き合うとか考えたことはなかったけど、
それでも、いつもあさひの側にいたい、
いつも、あさひの顔を見ていたい、
そう思う気持ちは、偽れなかった。

 その日は結局かなり飲んだけど、
酔えなかったよ。

image©“ManNg (改変 gatag.net)”

written by 透明[とうめい] ゆき

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1月 12th, 2016 by