P69 心から安心したの "母と妻と女の狭間で"

P69 心から安心したの ”母と妻と女の狭間で”

なき

 私は、足の力が抜けて、思わず近くの
机に手をついた。

 そんな私の様子を見て、気持ちが
抑えきれなくなったのか、寧子(やすこ)が、
火山が大爆発して、真っ赤な溶岩を
吹き出す様に、大笑いを始めた。

 私は、本当に悲しくなって、大粒の涙が
とめどなく流れてきた。

 そんな私を見ても寧子は、大笑いを止める
こと無く、ひたすら、笑い続けた。

 さすがに私も、頭に来て、

「いい加減にしなさいよ!
私が悲しんでるのが、そんなに楽しいの!」

 キレ気味に寧子に向かって叫んだのに、
寧子は、まったく気にならに様子で、
笑い続けた挙句、

「うそ!、嘘だよ。
ルームメイトは男。
男の人だよ」

 そう言って、また笑い始めた。

 私は寧子の言葉を聞いて、今度はまさに
足の力が抜けて、その場に座り込んでしまった。

「なんだよ、もう!
いい加減にしてよ~」

 さすがに、さっきまでの緊張感が一気に解けて、
寧子と一緒に笑い始めた。

 あまりの衝撃に、5分位笑い続けて、
最後はお腹が痛くなった。
 
 それでも、あさひが他の女の子と一緒に
住むよりは、心が痛むことはないよね。

 寧子が、

「よかったね~、女じゃなくて」

 って、言ったから、
私は、おもいっきり、寧子の肩にパンチして、

「ひどいよ、もう!、
日本へ帰ろうと思ったじゃないか!」

と、泣きながら、笑いながら、寧子に言った。

〈これで、私よりひとつ下の18歳。
これからこの娘は、どんな人生を歩くんだろう〉

 思わず心配になるくらい、寧子は大人びていた。

image©” あなたに贈る【感動する話、泣ける話、きゅんきゅんしちゃう恋愛話】”

written by 透明[とうめい] ゆき

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1月 17th, 2016 by