P71 ピンクのハート "母と妻と女の狭間で"

P71 ピンクのハート ”母と妻と女の狭間で”

ハート

「大変、たーい、へーん!」

〈また寧子だ〉

 最近寧子は、あまりのつまらなさから、
ほんとうに大したこと事ない、たとえば、

「ミチ君が、テスト落第した」とか、
(それはいつもで、珍しい事じゃない)

「ホストのおかあさんが、外泊した!」とか、
(べつにシングルなんだから、いいじゃない?)

 そんな事を、大げさに言うことに、凝っていた。
そんな感じだから、私は寧子に、

「どうせ大したことじゃないんでしょ?
今度はなに?」

 日本から送ってもらった漫画から目を外さずに、
寧子に答えた。

 そしたら、いつまでたっても、寧子は何も
言わなかった。

 私は、

「な・あ・に?」

 そう言うと、仕方なしに、漫画から目を離し、
寧子を見た。

 そしたら、寧子はニヤニヤしながら、私を見ていた。
私はとっさに、

〈あ、あの顔は見たことがある!〉

そう思った。
 
 そう、あれは、あさひが寮を出て、
アパートに移った時に見た顔だ!

「なに、もしかして、また、Ash絡み?」

そう私が言うと寧子は、

「お、成長したね~」

と、私を冷やかした。

 その言葉を聞いた途端、いきなり私の心は、
春の嵐のようにピンクのハートが乱れ飛んだ。

image©“Heart bubbles with pink background vector”

image©“freedesignfile.com”

written by 透明[とうめい] ゆき

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この物語はフィクションです
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1月 17th, 2016 by