P92 何もしゃべらない "母と妻と女の間で・・・" 留学時代・出会い青春編

P92 何もしゃべらない ”母と妻と女の間で・・・” 留学時代・出会い青春編

24時

 私は、ふたりのあまりの存在感にあっけ
にとられて、その場に立ち尽くしていると、
後ろから、

「忘れられちゃったね」

 そう、あさひが言った。

 私は、ジョンにミキちゃんが、私を紹介
しなかった事すら気が付かなかったけど、
それに気がついたあさひは、意外と気遣い
なんだな?と感じた。

「ミキちゃん、そそっかしいからね」

あさひが続けたので、私が振り返ると、
あさひはもう、そこには立ってなくて、
椅子に座って、勉強の続きをしていた。

 きっと、これがいつもの日常風景で、
私が感じた印象も、きっとずっと前に
あさひが経験したことで、今は当たり前に
流せるくらい、時間が経っているんだろうな、
と思った。

 それから、あさひは一切喋らず、
ひたすら机に向かっていた。

 私はすぐに飽きちゃったけど、
誰か話し相手がいるわけじゃないし、
図書館の中じゃ、他にやることもできないし、
あまりに暇だから、図書館の中を見て回ったり、
するくらいで、一応、けっこう勉強した。

 そんな事をしてたら、気が付けば時計は
午後11時50分。
 
 そろそろ閉館の時間が近づいてきて、
周りの人達も、帰り支度を始めた。

 それにつられて、私も帰る支度を始めたのに、
あさひは、まだ勉強を続けていた。

「ほら、閉館だから、帰るよ?」

 私が、そう言って初めて、あさひはノートを
閉じて一言。

「ちっ、もう終わりか」

 私は思わず、こわ!と思った。
それでも、あさひは、なかなか席を立とうとせず、
結局午前0時を回ってから、やっと図書館を出た。

image©“a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.”

written by 透明(とうめい) ゆき

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1月 23rd, 2016 by