P114 スレ違い

P114 スレ違い ”母と妻と女の狭間で”

こうべんち

 寧子はそう言うと、奥に鞄を取りに行った。
戻ってきた寧子に、

「さっき、Ashのアパート行ったんだけど、
鍵締まってて、中の様子わからなかったんだよね」

 それを聞いた寧子は、

「昨日行った時は、鍵開いてたから、
もう、熱下がって学校行ったんじゃん?」

 そう言った。
私もそう思ったけど、昨日の様子だと、
とてもそんな元気はありそうも無かったから、
もしも、熱が下がってても、一日くらいは、
安静にしていたほうが、いいと思った。

 とりあえず、寧子のママに挨拶して、
急ぎ足で、学校に向かった。

 途中、ミチ君達も合流して、賑やかに歩いていると、
図書館前のベンチで、勉強しているあさひを見つけた。

「ああ、もう熱は下がったみたいだな」

そう思ったものの、寧子やミチ君は、
週末のシアトル行きの話で盛り上がっていて、
あさひには気が付か無かった。

 私はあさひのことが心配だったけど、
ミチ君を初めみんなの手前、いきなりあさひの所へ
駆け寄ることができず、ただ遠くからあさひを
見ていた。

 もちろん、勉強をしているあさひが、こっちに
気がつくわけもなく、2人はスレ違いになった。

image©“Fields of View”





1月 30th, 2016 by