B:94ページ ヤマさんの手紙 "母と妻と女の狭間(はざま)で・・・" 留学時代・同棲編

B:94ページ ヤマさんの手紙 ”母と妻と女の狭間(はざま)で・・・” 留学時代・同棲編

手紙

「そりゃ確かに、『帰るときは黙って行っ
たる』とは言ってたけど、まさかほんとに
黙って行くとは思わなかったもん」

「ヤマさんも寧子のことは心配だったみた
いで、手紙を預かってきたよ」 

 寧子は手紙を受け取ると、すぐに読まな
いで、自分の机の引き出しにしまった。

「読まないの?」

「うん、今読んだら、また泣いちゃうから。
あとで一人で読むよ」

 寧子は一人で頑張ってるけど、ほんとは
寂しがり屋で、それをヤマさんもわかって
て、だからヤマさんは寧子を気にかけてい
たのが、ほんとの兄弟みたいで、少し羨ま
しかった。
 それだけに、ヤマさんが黙って帰っちゃ
ったのが、ショックだったんだよね。
 でも、ヤマさんもちゃんとわかってて、
寧子にだけは手紙を残したなんて、琴乃さん
が好きになる男性なんだなって実感。
 ほんとはヤマさんて素敵な人だったんだな
って思った。

 寧子と2人でのんびりとコーヒーを飲み
ながら、いままでのヤマさんとの思い出を
話してたら、寧子も少しづつ元気が出てき
て、午後からMoscowに買い物に行くこと
にした。

 ミチに電話したら、午後は空いてるって
ゆーんで、決まり。

 一回家に帰って、1時に寧子んちへ集合。
アパートの前で、ヤマさんから受け継いだ
部屋の鍵でアパートに入ると、ここが自分
の家なんだって実感。

written by 透明(とうめい) ゆき

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4月 12th, 2016 by