B:127ページ 誰も知らない "母と妻と女の狭間(はざま)で・・・" 留学時代・出会い青春編

B:127ページ 誰も知らない ”母と妻と女の狭間(はざま)で・・・” 留学時代・同棲編

無人の部屋

 アパートの扉を開けると、やっぱりあさひ
はいなくて、ガランとした無人のリビング
があるだけだった。

 手早く着替えて学校に行く準備を済ます
と、寧子と一緒に急いで学校に向かった。

 教室に入ると、いつもの様に騒々しい
ミチ達が、晴美のことを噂していた。

「なんか、学校に戻るかわからないらしい」

ミチの話だと、とりあえず戻れるかの確認
があっただけで、実際にこっちに戻るかは、
検討中だって。

 どうやら、ミチ達みんなはすでに晴美が
帰って来ていることは知らないらしく、
帰ってくるかもわからないと思っているみ
たい。

 もし、すでに晴美が帰ってきてることが
わかったら、どれだけの騒ぎになるか想像
できなくて、しかも、晴美の帰省が、あさひ
に逢うためだけの目的だったと知ったら、
ミチは切れるほど怒ることが目に見えてい
た。
 それを考えて、みんなに晴美が帰って来
ていることは黙っていた。

 その日のお昼ご飯の時に、あさひが学校
に来てないことを知った。
 
 今日は金曜日。
あさひはこのまま週末中、帰って来ないの
だろうか・・・。

 授業が終わって図書館のいつもの席に行
くと、ミキちゃんだけが勉強していて、
あさひの姿は見えなかった。

「Hi,紗季ちゃん!」

 ミキちゃんが真夏の太陽のように素敵な
笑顔で挨拶をしてくれたけれど、私の返事
はジメジメとした梅雨の長雨のような暗い
笑顔だった。

written by 透明(とうめい) ゆき

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5月 14th, 2016 by