B:P131~P140

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パーティー
10月 8th, 2016 by yuki.o

 一晩中飲んでいたし、寧子の優しい言葉
にホッとして、ベッドに入ると同時に深い
眠りについていた。

 次に目が冷めたのは、もう3時を回って
いた。

「あ、もうこんな時間!」

 寧子は「午後になったら、またおいで」
って言ってくれていたけど、今からシャワー
して、支度したら夕飯の時間になっちゃう。

 そう思って、行こうかやめようか考えて
いた所に、電話が鳴った。

 受話器を取ると、受話器の向こうから
賑やかな雰囲気と、寧子のいつもの聞きな
れた声がした。

「あんた、いつまで寝てんの?」

 それは私が驚いたことで、返事に困って
いると、

「早く来て、夕飯の支度を手伝いなさいよ」

 
寧子は、そう一方的にまくし立てて、私の
返事を待つこと無く電話を切った。

 あさひのことで、かなり落ちている今は、
そんな寧子の強引さが心地よくて、自然と
顔が笑っていた。

 それから簡単にシャワーを浴びて、とり
あえず部屋にあったドリトスを持って寧子
の家に向かった。

 玄関でピンポンを押すと、出てきたのは
ミチで、

「早くしないと、みんな待ってるよ!」

 そう言って、にこやかに迎えてくれた。

「そんなこと言って、ここはあんたのホスト
じゃないでしょ?」

 それを聞くとミチは、苦笑いで、

「まあ、堅いこと言わずに~」

 この辺が、ミチの憎めない所。
もしもあさひよりもミチと先に知り合って
いたら、今頃ミチと楽しく一緒に暮らして
いたかもしれない。
 ミチはそれぐらい良い人だと思う。

written by 透明(とうめい) ゆき

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この物語はフィクションです
写真は参考のため、本文とは一切関係ありません
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© 2014 Tomoyuki.O(やすこ)





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不安
8月 22nd, 2016 by yuki.o

 寧子が、

「このままAshが戻ってこなかったら
どうするの?」

 それは、私が一番不安に思っていることで、
まだあさひの荷物が手付かずで残ってるとか、
私に無断で、消えるはずがないとか、いな
くならない理由を必死に考えてる自分がいた。

「大丈夫、Ashは黙っていなくならないよ。
ちゃんと帰ってくるから」

 寧子には自信たっぷりの口調で言って
見たものの、ほんとの所は、自信がなくて、
足が震えていた。

〈自分の心はごまかせない〉

それは、自分が一番わかっていること。

 それでも、寧子の優しさが嬉しくて、
徹夜明けのドロッとした朝のはずなのに、
心の中に爽やかなミントの香りが漂って
いるような清々しさを感じた。

 寧子にアパートの前まで送ってもらうと、

「それじゃ、一眠りして午後になったら、
またうちにおいで」

そう言って寧子は帰っていった。

〈もしかしたらあさひが帰ってきてるかも
しれない!〉

そう思うとドキドキしながら、アパートの
扉を開けると、部屋の中はガランとした
空洞で、人のいる気配はゼロだった。

〈はぁ~〉

 心の中でため息一つ。
でも、少しだけホッとしたのは、あさひの
荷物はそのままで、まだいなくなる気配は、
無かったことだった。
 ほんとうは、そんな後ろ向きの安心感は
嫌いだったけど、あさひが帰ってこない時間
は、それさえも私に安心感を与えてくれる
材料。
 それくらい私は不安に心を押し潰され
そうになっていた。

image © 壬丰

written by 透明(とうめい) ゆき

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ACWORKSハートバンド
7月 3rd, 2016 by yuki.o

 その日は、みんなで盛り上がって、気が
ついたら、東の空が金色に輝いていた。

 みんなが帰った後、私と寧子は部屋の
片付けをしながら、晴美がどうして戻って
きたのか、話していた。

「やっぱり、移動先に馴染めなかったのか
な?」

 私が言うと、

「あんたバカじゃないの?
彼女の性格だったら、独りぼっちで孤立して
なんてありえないでしょ?
 理由は簡単。
Ashに逢いに来たんだよ」

 もちろん私だって、そんなことはわかって
いたけど、あえて口にしたくなかっただけ
のこと。
 だって、それを口にしてしまうと、晴美
の気持ちを認めることになって、私自身が
辛すぎるから。
 それと同時に、あさひが私の隣から、
いなくなってしまいそうで、すごく不安な
気持ちになるから。

 私が寧子の言葉に何も言い返せずに黙っ
ていると、寧子が突然、

「ごめん」

と言った。

 寧子を見ると、私にハンカチを差し出し
ていた。
 私は自分でも気が付かないうちに、涙が
こぼれていた。
 
 前にもあったけれど、本当に悲しい時は、
自分でも気が付かないうちに、涙がこぼれ
ている。
 自分自身、涙もろいとは思わないけど、
最近、特にあさひの事になると、自分でも
驚くくらい涙もろくなる。
 そんな時に思うのは、
『私は、本当にあさひが好きなんだなー』
って。

 それだけに、晴美が帰ってきてから、
あさひがいなくなった事は、自分で思って
いるより、心が傷ついているんだなって。

image©ACWORKS

written by 透明(とうめい) ゆき

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友達
6月 12th, 2016 by yuki.o

 あさひの事は、とても心配だったけど、
11時位には、みんなが迎えに来てくれて、
すぐに、Moscowに向けて出発。

 1時間位で無事に、タイ料理のお店に座
っていた。

「で、Ashはあれっきり?」

ミチ達が車を止めに行っていた間に、そっ
と寧子が私に訪ねた。

「うん、そう。
でも、荷物とかはそのまま置きっぱだから、
どっちにしろ、いったんは帰ってくると思
うけど」

 あさひが家を空けても、事件ってわけじゃ、
無いから、警察に通報するのも変だし、
ただ、心配しながら待つしか無い。

 そんな話をしていたら、ミチとしんのすけ
が戻ってきて、さっそく注文。

 行く前は心配だった辛さも、店員のおねー
さんに聞きながら、辛くないのを選んで、
タイ風焼きそばや、トムヤンクンとか、す
ごくおいしく頂いた。

 ご飯を食べて、お腹がいっぱいになる頃
には、ブルーだった気持ちも、すっかりあげ
あげで、なんだか小さなことに悩んでいた
自分が、少し恥ずかしく思えた。

 それからモールに行って、洋服見たり、
雑貨を見たり、みんなでブラブラしてる
うちに、あっという間に夕方になり、帰りの
車中では、今度のパーティーの話題で、盛り
上がった。

 それから、今週末は寧子のホストマザー
が彼氏と旅行で誰もいないから、お酒を買
って、みんなで集まった。

written by 透明(とうめい) ゆき

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