P51~P60

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はてな泣き
1月 14th, 2016 by yuki.o

 そう、寧子(やすこ)は怖いもの知らずで、行動力の塊のような子。
塊のような子。私も、行動力には自信があった
けど、それ以上。

 まずは、お昼にカフェに行って見たけど、
いなかった。

 次に、晴美の教室に行ってみたけど、
いなかったから、クラスメイトに晴美の事を
聞いてみると、今日は来てないって。

「もしかしたら、移動が決まったから、
もう来ないのかな?」

私が、そう言うと、

「そか!じゃ、晴美のH’ ファミリーに行ってみよう!」

 当然のように、寧子は言った。
さすがの寧子も、授業はしっかり受けて、放課後、
晴美のH’ ファミリーに行ってみた。

 って言っても、じつは誰も晴美のH’ファミリーの場所を
知らなくて、先生に事情を話して、家の場所を
教えてもらった。

「やっぱり、晴美ちゃんは最初から違ったもんね」

 寧子は、少し残念そうに、つぶやいた。
晴美は、みんなをまとめてくれたけど、自分のことは
あまり話そうとせず、何を聞いても、

「うふふ」

って、鮮やかな黄色い向日葵のような素敵な笑顔で、
返すだけだった。

 晴美のH’ ファミリーのところへ行ってみると、
なんと、レンタカーに荷物が満載で、今にも

出発!

 って感じになっていた。

 その時、ほとんどパッキングを終えた晴美が出てきて、
私達と目が合った。

 まず、晴美がその二重で大きく、少し薄いブラウン
の瞳を、キラっと光らせながら、私達を見つめた。
 
 私と寧子もびっくりして、

「え、もう出るの?
お別れ言わないの?」

 って、青白い稲妻のような、悲鳴に近い叫び声で、
晴美に向かって叫ぶと、

「なんでここがわかったの?」

 って、晴美がその瞳に、とても透明な涙をいっぱいに
貯めて、私たちに質問した。

 私達は、

「だって、晴美ちゃんが移動するらしいって聞いて、
事情を詳しく聞きたいから、先生にH’ファミリーの場所を、
無理やり聞いて来たの」

 寧子が、つぶらな瞳から大粒の涙をこぼしながら、
答えていた。。

image©“流星の絆”

written by 透明[とうめい] ゆき

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桜
1月 13th, 2016 by yuki.o

 晴美が来てから、1ヶ月が過ぎた頃、
あれだけの決心をした、あさひへの気持ちも、
これと言って何の進展もなく、ただ平凡な毎日が
過ぎていった。

 私は、アメリカの大学に入るための試験”TOEFL”を
毎月受けていたけど、どっかの大学に受かるための
最低ライン”450~500点”を取れなくて、なかなか
大学の入学許可が、下りなかった。

 もちろん、毎回500点を目指して試験を受けるものの、
やっと400点を超えるのが精一杯で、最近では試験を
受けても、どうせダメだよねって、諦めの境地。

〈点が取れなくても、ここに居られるんだから、まいいか〉
 
 そんな感じで、妥協していたけど、なるべく考えない
ようにしていた。

 そんな時、晴美がネヴァダの大学に移動するって
噂を聞いた。

 寧子に、

「それってほんとなの?」

 って聞くと、

「ミチさんが、直接聞いたって!」

 私は、心の底からこみ上げる嬉しさを、必死の
思い出こらえながら寧子にもう一度確認した。

 「じゃあ、間違いないんだ!」

 寧子は、期待を裏切らない答えを、

「うん、もうH’ファミリーも決まったんだって」

 言ってくれた。
それを聞いた瞬間、目の前に抜けるような青空と、
真夏のグランドキャニオンの水しぶきを浴びたような
爽快感が、心の中に広がった。

 寧子が一言、

「よかったね」

 私は、嬉しくてつい寧子に、

「ありがとう!」

 って、返事を返した。

「でも、なんでだろうね?」

 私は疑問に思って、思わず寧子に聞いてみると、
寧子が突然、

「よし、今から確認に行こう!」

 って言い出した。

〈しまった!、寧子はこういう子だった!〉

Copyright©fishing-tools.sakura.ne.jp

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マダムリリー
1月 13th, 2016 by yuki.o

 散々な気分で週末を過ごし、やっとの思いで
月曜のクラスにやってきた。

「おはよう!」

 朝から素敵な笑顔で寧子が声をかけてきた。

「金曜日は荒れてたねー」

 寧子は何の遠慮もなく、直球で質問してきた。
そんな所が寧子の天真爛漫なところで、
いつの間にかみんなと仲良くなる秘訣何だけど。

「うん、私Ashが好きみたい」

 私も、寧子の直球にたいして、直球で返した。
寧子は普段の私だったら、はっきり言わないで、
なんとなくごまかすのに、はっきり答えたことに
驚いた様子で、それだけ真剣なんだって、
理解したみたい。

「うん、わかってたけど」

 寧子は、そう短く答えると、ギュッと私を
抱きしめた。それはまるで、母親に抱きしめられる
ような安心感。

「諦めちゃダメだよ?
がんばってね」

 その言葉とHugが、私にたくさんの勇気を
与えてくれた。

〈ああ、これが寧子の魅力なんだな〉

 私から見て、お世辞にも綺麗とは言いがたい
寧子だけど、逆に愛嬌があって可愛いとは思ってた。

 でも、寧子が太陽なら、私は月で、それは、
私と妹のようで、なんとなく嫌感じ。

 そんな思いは、私の心の中に、すっきり晴れない、
黒い霧をかけていた。

 だから、明るくて、料理ができて、みんなから
好かれる、

 寧子が、嫌になることもあったけど、
今の寧子のハグが、私の心をどれだけ
救ってくれたのか考えると、やっぱり
寧子は親友だって、あらためて教えてくれた。

image©“マダムリリー”

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モノクロ
1月 12th, 2016 by yuki.o

 土曜の朝、きつい頭痛で起きた。

「いたたた、痛い!」

 あきらか二日酔い。
お酒は強いほうだけど、昨日はいくら飲んでも
全然酔わなかったから、二日酔いになるなんて、
考えてもいなかった。

 それなのに、頭の痛みで起きるなんて!
時計を見ると、とっくに10時を回っていて、
当然、H’ファミリーは、日曜の礼拝に行って
留守だった。

〈ああ、また教会行かなかった〉

 私は昔、英会話を習いに近所の教会に通ってたけど、
いつの間にか、遊ぶことが優先になって、
行かなくなってた。

 それ以来、日曜礼拝なんて行ったことは
無かったけど、アメリカに来て改めて、

〈教会に行く!って決めたのに・・・〉

 心の中がチクっと痛んだ。
でも、今はもっと大きな心の傷口が開いて、
真っ赤な血が流れていたから、教会に
行かなかった痛みは、そんなに、
気にならなかった。

 こんな気持は中学校以来。
これまでは、なんか未来に失望っていうか、
とくに目的も感じなくて、ただ一日が過ぎれば
それでいいと思ってただけだけど、
あさひと会ってから、毎日がドキドキの連続で、
まるで、私のまわりがパステルカラーに色づいた
そんな感じ。

 でも、そんな幸せな気分も晴美が来てから、
徐々に色失せて、今は薄いグレーになっちゃった。
でも、晴美が嫌いなわけじゃなくて、
ただ、自分のやらなきゃいけない勉強に、
気持ちが乗らない、それが重しのように、
心を押しつぶしているだけ。

image©“bernhard.friess”

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寂しい
1月 12th, 2016 by yuki.o

 私は、その場からすぐに走って、確かめに行きたい
衝動にかられたけど、なんとか気持ちを落ち着かせ、
今は、ここで楽しむことにした。

 それから、しばらく飲んで、騒いでいたけど、
いくら飲んでも、酔えないで、つねに頭の中では、
晴美とあさひが手をつな位で歩いている姿が、
真っ白なスクリーンに映り出されていた。

 一時間くらい経った頃、寧子が

「お酒無くなったから、買い出しに行くけど、
一緒に行く?」

 って、聞いてきた。
たぶん、いつまでも様子がおかしい私に
気を使ったんだろう。

 その気持は嬉しかったけど、もしも
本当に2人が手を繋いでる場面を見てしまったら、
もうここにはいられない気がして、断った。

「ううん平気。気をつけてね」

 寧子は、ちらっと心配そうな表情を見せたけど、
「そう、わかった」とだけ言い残して、すぐに
出て行った。

 私は、晴美が本当のことを言わなかった事と、
あさひが、日本人とでも、気軽に食事に行った事が、
ショックだった。

 もちろん、ここには勉強に来たんだから、
あさひと付き合うとか考えたことはなかったけど、
それでも、いつもあさひの側にいたい、
いつも、あさひの顔を見ていたい、
そう思う気持ちは、偽れなかった。

 その日は結局かなり飲んだけど、
酔えなかったよ。

image©“ManNg (改変 gatag.net)”

written by 透明[とうめい] ゆき

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海
1月 11th, 2016 by yuki.o

 私が自分で言うのも変だけど、
もとともと負けず嫌いで、激しい性格。

 自分が晴美に負けて、あさひを晴美に取られ
たことが、どうしても我慢できなかった。

 寧子が、

「どうしたの?だいじょぶ?」

 って声を掛けるまでずっと、
2人の姿が心の白いスクリーンに映し出されて、
そこから目が話せなかった

「ん?ああ、だいじょぶよ」

 私が笑顔で答えると、寧子はすべてお見通し
って感じで、一言、

「たいへんだね」

 そう言いながら心配そうな顔を残して、
その場を離れていった。

 
 寧子に話を聞いた時は、私自身少し驚いた
けど、自分で驚くくらい冷静で、かえってそれが
辛さを増した。

〈晴美がクラスを移るって言った瞬間から、
なんとなくわかってた事だもの〉

 そう、一番驚いたのは、晴美がクラスを変わり
たい!って言った瞬間。

 あの時は本当に驚いて、目の前が真っ暗
になったけど、それは、あの時すでに、
こうなることがわかっていたから。

 あの時に確かな証拠があったわけ
じゃなく、きっと晴美自身もそんな事は、
まったく考えていなかったはずだけど、
ただの、勘、そう、ただ漠然とした雰囲気を
感じただけ。

 南の海の、どこまでも透き通る深い
水の底にあって、目の前に見えるのに、
絶対に触れないような、
そんな感覚。
 
 晴美が、クラスを変わりたいと言った時
に感じた事。

image©“ignatov”

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青い炎
1月 11th, 2016 by yuki.o

 私は、晴美の意外な返事が、頭の隅に小さく
残ったまま、金曜日の夜のパーティーに出かけた。

 会場では、先にミチ君達が来ていて、
すでに真っ赤な太陽のように、爆発的に盛り上
がっていた。

 寧子が、

「晴美ちゃん来ないんだって?」

って、お酒を飲んで、陽気な気分で聞いてきたから、

「そうなんだよ、なんか用事があるらしいんだ」

 そう答えると、

「そうなんだ。
でも、さっきミチさん達がお酒を買いに、
ダウンタウンに行った時、2人で歩いてる
晴美ちゃんを見たってよ?」

 寧子が、言った言葉にほんとに驚いて、
頭の隅で真っ黒い煙をあげながら燻ぶっていた、
小さな火種が、いきなり轟々と真っ黒な煙を上げて
燃え始めた。

〈あさひと晴美だ!〉

 私は、寧子が”誰と一緒だったか言う前に、
晴美の相手があさひだと確信した。

「それって、Ashでしょ?」

そう私が質問すると、寧子は、

「え?なんでわかったの?」

 寧子が不思議そうに答えた。

「だって、晴美とAshってなんとなく似てない?」

 私がそう言うと、寧子は初めてそれに気がついた様子で、

「そう言えば、お似合いだよね」

そう言って、無邪気に笑った。

 その寧子の笑顔を見て、私の心が、真っ青に燃える
激しい嫉妬の炎が燃え広がった。

「悔しい・・・」

written by 透明[とうめい] ゆき

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嵐
1月 10th, 2016 by yuki.o

「ごめん、うちのホスト、夜出るのとか、
けっこううるさいんだ」

 って、返ってきた。

「え!、そうなの?」

 私は、意外な返事で、心の底から驚いた。
普段から、他の国から来た留学生と英語で
コミュニケーション取ることに、積極的な晴美が、
多くの留学生が集まる、Int’l Partyに参加しないなんて、
とても考えられなかった。

「だから、今までそういうやつ、行ったことがないのよ」

 晴美がそう言ったので、

”あー、ついこないだまでの私達と同じなんだな”

 私はそう思うと同時に、

”それなら、こっちは慣れたもんだね”

 と、心の中は真っ青な空のように
晴れ晴れとした気持ちになった。

「この前ね、まったく行ったことがなかった、
ミチ君達とね・・・」

 私が説明を始めると、それを遮るように、

「ごめん、それにね、ほかに用事があるのよ」

 と、晴美が一言。
それが、少し強い口調だったから、
私は思わず、晴美の顔をまじまじと見つめた。

 すると晴美は、スッと視線を外して、もう一度、

「ごめんね、ありがとう」

 と、お礼を言って、カフェを歩いて出て行った。
晴美の、なんだか不自然な断り方に、
私も、かなり違和感を感じたけど、
それ以上、詮索しても仕方がないから、

”じゃあ、しょうが無いよね”

 って、納得するしか無かった。
さっきまでの、青く晴れ晴れとした心の中は、
一瞬で、真っ黒な雲に覆われて、
今にも泣き出しそうになった。

image©“Rookuzz.”

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カフェ
1月 10th, 2016 by yuki.o

 晴美が、クラスからいなくなって最初の週末、
私達の、晴美がいなくなった寂しさがピークに達した頃、
また、Int’l student party があるって聞いた。

〈ああ、これに晴美は来るかな?〉

 みんなで、Int’l スチューデントパーティーに
行ってから、日本人で英語が話せなくても、
みんなすっかり常連で、他の国の留学生とも、
挨拶を交わす程度には、仲良くなってた。

「確か、晴美が来てからはじめての
パーティーだよね?」

 寧子に聞くと、

「そうそう、晴美ちゃんは、まだ会場で
見たこと無いよ」

 と言った。

 私は、

〈よし、明日のパーティーに晴美を誘おう〉

 そう決めて、授業が終わった後、寧子と2人で、
晴美を誘いに行った。

 晴美を探してカフェに行くと、真っ白なテーブルが
並んでいる中に、一箇所だけカラフルなジャケットが
テーブルを囲んでいる所があった。

〈あ、いるいる!〉

 晴美のいるテーブルだけは、いつも人だかり。
だから、簡単に見つかる。

 さっそく私は、

「今週末、他の国から来た留学生主催の、
Int’l student party があるんだけど、
みんなで一緒に行かない?」

 当然、他の国の学生が主催のパーティーだから、
晴美も、乗り気でパーティーに参加するよね。

 晴美の答えは、

image©“HIRAMATSU INC. “

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授業
1月 9th, 2016 by yuki.o

 晴美がいなくなって、一週間たったけど、
良かった事がある。

 晴美は教室からいなくなって、
上のクラスに行ったわけだけど、
そのクラスが、すぐ隣りだったんで、
廊下では、ちょくちょく会えることだった。

「なんだ、がっかりして損した」

 それは、私達の教室みんなの意見で、ちょっと考えれば
すぐわかることだった。

 でも、言い換えれば、それに気が付かないくらい、
動揺し、落胆したわけで、それくらいみんなは、
晴美が好きだったわけ。

 晴美はどうやら、新しいクラスでも、
国籍問わず同じように人気者で、
晴美と同じクラスの男子は、
浮足立って、それでいて、
みんなが授業に集中するという、
不思議な空間になっていた。

「やっぱり・・・、さすが晴美」

 みんなで感心していたものの、私の心の中は
ひとつ心配があった。

 それは、晴美のクラス替えが決まった時に、
感じたことで、晴美のクラスのひとつが、
あさひとダブっていたことだった。

〈晴美は勉強に真剣で、恋愛なんて眼中にないよね?〉

 私は、授業中の真剣な晴美の顔を思い出して、
少し安心した。

〈それに、あさひは日本人と付き合わないし〉

 それだけならば、晴美とあさひを結びつける
接点がないのだけれど、日本人とは思えない
くらい、授業に真剣って事は、2人に共通している。
 
 それが、紗季の心の中に黒い雲を吐き出していた。

written by 透明[とうめい] ゆき

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